つるバラのこと

その1

ウイリアム・モリス

バラを育てる前は
花の形や色のことしか
考えたことがありませんでした

そしてつるバラなどは
普通のバラよりつるが長いだけだと
単純に考えていました

ところが
いざ育て始めてしばらくしてくると
そんな簡単なものではないことに気づかされ
その奥の深さにすっかり魅了されてしまいました

バラのなかでも
つるバラは特に奥が深く
育てがいのある植物だと感じています



私が一番初めに育てたつるバラは
クライミングローズの「バタースコッチ」です。
これは花の色がとても気に入って買ったのですが
一応自分なりに調べて
3メートルくらいしか伸びそうになかったので
パーゴラに這わせるために植えることにしたのです。

最初の年はそれほど伸びず
窓から眺めるのにちょうどいい感じで
素敵な花色にうっとりして過ごしました。

ところが翌年、シュートの勢いがものすごく怖いくらいでした。
パーゴラを突き抜けて2階のベランダまで伸びてしまい
さらに上へ上へと伸びようとするのです。

枝がとても太くてしっかりしているので
下のほうに枝垂れる感じがなくて
とにかく上に向かってピンと枝が張って
1階の窓から肝心の花が
ほとんど見ることができなくなってしまったのです。

剪定して窓から見える高さに調整するのも
相当手がかかりそうだし
バラにとっても本来の姿じゃないのはかわいそうだし・・・

そう思って悩んでいたときに出会ったのが
村田晴夫さんの「つるバラの庭」という本です。

これを読んで
自分の考えが完全に間違っていたことに気づかされて
大きな衝撃を受けました。

バタースコッチはとても魅力的なお花だったけれど
私が仕立てたいようには育ってくれないバラだったことが
よくわかりました。

これは一般的な本をただ読んだだけでは
なかなかわからなかったことです。

村田さんの本は多くの他の本に書いてある
バラの花色やつるの長さが単に書いてあるのではなく
多くのつるバラ好きの人たちが最も知りたいであろう
樹形や枝の伸び方、最適な植え場所について詳しく述べてあり
他の本とは大きく違う本です。

この本を読んでわかった
つるバラの選び方について私のわかる範囲で
紹介したいと思います。

バタースコッチ

 

 

バタースコッチ
この頃はまだよかったのだけれど
すでにパーゴラの上につき抜け始めています


次のページへ続く >

Rose トップへ